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pretorio EV-505(5弦エレアコバイオリン)のテスト

 

先日ネットにて購入しました新しいバイオリン

pretorio EV-505についての記事です。

よろしければご覧ください。

 

 

 

★はじめに

 

先日アメブロにて紹介したように、バイオリンには

「アコースティック」

「エレクトリックアコースティック(エレアコ)」

「エレクトリック(エレキ)」

 

の三種類があります。

pretorio EV-505は5弦モデル(C線あり)のエレアコです。

 

この5弦かつエレアコというと、今まではほぼ海外モデルの製品しかありませんでした。

後に取り上げるDavid Gageの物がメジャーです。

 

 

対してpretorio EV-505は昨年京都に出来た弦楽器工房prio music&craft制作による

国産のバイオリンとなっています。

 

 

参考価格としてEV-505が¥45,000~、David Gageが¥200,000前後です。

比較すると非常に安価となっています。

 

 

・・・こんなに安くて(質は)大丈夫なの??

 

そんな疑問が浮かんだので色々調べてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

★特徴

 

 

 

 

こちら正面から撮影したものです。

 

正面からだとパッと見普通のアコにも見えます。

 

振動を拾い音を増幅するピエゾピックアップは

 

ボディ内部に取り付けられているため

 

外観からだとわからないですね。

 

 

 

 

 

 

こちらは左側面。

 

スライダー式のツマミが2つついています。

 

上がボリューム。

 

下がトーンコントロールで、

 

どの帯域の音を重点的に拾うかの微調整ができます。

 

 

 

 

こちらは右側面。

 

ラインジャックが右下についています。

 

ここにシールドを挿します。

 

エレキバイオリンは左下にジャックがついていることが多いので

 

珍しいですね。

 

 

このように、非常にシンプルなつくりとなっています。

 

 

 

 

★弾いてみた

やっぱりエレアコなのでアンプに通した音が大事ですね。

とりあえずシールドでアンプに繋いだら音は出ます。が、やはり気になるのは音質です。

 

 

今回は

アンプにRolandのKC-110を使用。

 

ギターアンプと比べて着色されない、よりフラットな音が出ます。

 

 

プリアンプ兼エフェクターにzoom A3を使用。

 

これがあると音量調整などがしやすい。

 

 

 

 

下がテスト動画です。

 

A3からリバーブだけ少し加え、EQの補正などはしていない素の状態。

 

 

 

 

 

そしてこちらはA3のEQで中音域~中高音域を少し持ち上げた状態。

より音がふくよかになるようにしています。

逆にキンキンしやすくなる高音域は少し削っています。

 


 

こんな感じです。

けっこう強めにブースト。

 

 

 

 

また、比較用にDavid Gageのバイオリンでも同条件で弾いてみました。

以下写真と動画です。

 

 


 

 

 

 

EQなしバージョン

 

 

 

 

EQありバージョン

 

 

 

 

 

 

 

★感想

〇工房オリジナルのピエゾピックアップの性能が良い

正直言って買った時の値段から半信半疑だったのですが、

実際にアンプで音を出してみると期待以上にしっかりした音が出ました。

どうしても安いピエゾだと音が細く尖り、いわゆる「ピエゾ臭い音」になりがちですが、

こちらのピックアップはふくよかな中音域もちゃんと拾ってくれます。

David GageについているRealistのピエゾよりもふくよかです。

 

 

〇アンプ直挿しでも思いのほかいける

上記の理由から、今回使ったA3のようなプリアンプがない場合でも

アンプに直で使用できます。

ただし代わりにアンプ側でEQなど調整したほうが音がより良くなると思います。

ギターアンプに繋ぐときはハイやトレブルや削ったほうがよさそうです。

 

 

 

〇弦高は低め、弦幅は少し広め

David Gageと比較すると上記の感想です。

運指はしやすい反面もう少しハリがあると高音がのびやかになりそうです。

ネックが比較的少し太いです。

 

隣接弦同士の高低差があまりないため移弦の難度が少し高く感じました。

隣の弦にかすりそうになることがあります。練習で何とかなりそうな範疇ではあります。

 

 

 

〇C線の扱いには注意が必要(※8/29 追記)

5弦モデルのため普通のバイオリンにはないヴィオラの音域のC線がついています。

前述の弦高の問題もあり少したゆんでいる印象です。

強く弾くと大きく揺れてピッチがずれやすくなります。

 

こちらは工房の方にお聞きしたところ

初期弦ではライトテンションのC線を使用しているためより強いテンションの弦に張り替えれば緩和されるとのことです。

さっきamazonしたので今度張り替えてみます。

 

また、上位モデルとしてテールピースの形がハープ状になり

よりC線を強固にした製品もあるようです。こちらはプラス一万円くらい。

 

(※8/29 追記)

ヘリコアのミディアムテンションの弦に張り替えることでかなり改善されました。

 

 

 

〇ラインジャックの位置は・・・

好みの問題かもしれませんが、ラインジャックはやはり左下のほうが利便性、見栄えからしても有難いです。

L字のシールドを垂らして使う形でしたが、ボウイングの際にかすらないか少し気になります。

(実際にはかすることはありませんでした)

 

こちらについてもお尋ねしたところ

他にも同様の意見が来ていてオーダーメイドで左ジャックにされた方もいらっしゃるそうでした。

今後左ジャックがデフォルトのタイプも出てくるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

★まとめ

以上のことから総合的に見ると、

現段階でも価格以上の高品質さを備えています。

充分実用的なクオリティです。

同じ金額でバイオリンとピックアップを買うことを考えたらこちらをオススメできます。

(通常4弦モデルのエレアコもあります。)

 

 

今までDavid Gageしかほぼ選択肢がなかったエレアコの新たな選択肢になりえるのではないかと思います。

エレアコはジャズやバンド系サウンドで用いやすいので、今後この手に入りやすい価格帯でエレアコが買えるとしたらバイオリンがよりポピュラーなものになっていくのではないでしょうか。

ワクワクしますね。

 

さらなる新作や改良モデルなどの展開が今後非常に楽しみです!